お金に関する本質的な考え方を理解をする重要性
投資をする目的は何でしょうか?
多くの人は、お金を儲けるためと答えるでしょう。
投資をする目的がお金を儲けることである以上、お金自体についての本質的で深い理解がないと、
今後、投資に関する判断をしていくときに、迷いが生じてしまい、投資結果にも悪影響が出てくる
可能性が高いです。
この記事を読めば、お金の本質を深く理解し、ブレない投資判断が出来る基礎を作るのに
役立ちます。
考え方1 お金の価値は変化する(無価値になることもある)
「お金の価値が変化するってどういう事?」
みなさん、こう思われたのでしょうか?
ここで「お金の価値」とは、「一定のお金でモノをどれだけ買えるかどうか」、
ということです。
例えば、昔は自動販売機のジュースは100円で買えましたが、今は130円出さないと買えません。
この場合、「お金の価値」は下がった、ということになります。
今の日本では、お金の価値が変化していることは感じ取りにくい、と思います。
でも日本でもお金の価値は確実に変化しているのです。
例えば、今から50年近く前の1974年には、国鉄(現・JR)山手線1区間の料金は
30円でした。(現在は130円)
また、東京23区内の平均家賃は7万1300円で現在は15万8100円と比べ、
だいたい半額ぐらいだったようです。(こちらを参照)
上の写真は、第一次世界大戦後のドイツのものです。
戦争に負けたドイツは、賠償金を支払うために大量のお金を印刷しました。
また、戦争で工場等のモノを作る設備が壊されたために、モノ不足になっていました。
このようにお金が増えて、モノが少ない状況ではモノの値段が急激に高くなって、
写真のように大量の紙幣が必要になったのです。
(この状況を「インフレーション(略してインフレ)」と呼びます。)
この状況は、実質的にお金の価値はなくなっていると考えても良いのではないでしょうか。
考え方2 今後お金の価値は低くなる
お金の価値が変化していくことは理解していただけたと思います。
では、今後お金の価値はどうなっていくのでしょうか?
私は以下の2つの理由で、低くなっていくと考えています。
- 景気が悪くなるのを防ぐためにお金を増やすことが予想される
- いろいろなモノの生産量が少なくなることが予想される
1つ目の理由ですが、世界の経済成長率は、継続的に低下していっています。
(成長率が高い=景気が良い、 成長率が低い=景気が悪い )
成長率を上げる方法はいくつかあるのですが、一番手っ取り早い方法が、世の中に
出回るお金の量を増やすことです。
その結果、使えるお金が増えるので、モノやサービスがよく売れて景気が
良くなります。
この場合、お金の量が増えますから、お金の価値がモノに比べて低くなります。
上のグラフは、アメリカのお金を発行している銀行(中央銀行といいます。詳しい解説はこちら) の資産残高の推移です。
この銀行の資産残高が増える=アメリカのお金であるドルが増えることを意味します。
アメリカと同様、日本やヨーロッパの中央銀行の資産残高も同様に増加しています。
2つ目のモノの生産量が減少する、という理由は次のとおりです。
実際にモノの生産量の減少による影響は、商品価格の上昇として出てきています。
下のチャートは農産物や鉱産物等の商品全体に投資する金融商品の値動きを表しています。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、2020年4月頃に大きく値下がりしましたが、それ以降
右肩上がりとなっています。
その理由としては、以下のものがあります。
- 世界的な異常気象が続き、農産物の収穫量が大きく減少している
- 新型コロナウィルス感染を避けて、労働者が集まりにくくなっており、賃金が上昇傾向にあり、それが商品価格を引き上げている。(特に失業給付が手厚いアメリカではその傾向が強い。)
まとめ
この記事では、お金に関する本質的な以下の考え方をお伝えしました。
- 考え方1 お金の価値は変化する(無価値になることもある)
- 考え方2 今後お金の価値は低くなる
今後、投資をしていく中で、上記の考え方は大変役に立つことになるでしょう。
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