アメリカ株に長期投資していれば必ず儲かるという常識。データに基づいて論破します。

なぜ世間では必ず儲かると言われているの?

 下のグラフはアメリカ株の代表的な株価指数であるS&P500の1980年から2024年までの株価チャートです。
 
 惚れ惚れするようなきれいな右肩上がりとなっています。
 多くの人がこのグラフを見て、「40年以上も株価は上昇している。だからこれからも上昇するに違いない」と思っています。

 でもこの考え方は正しいでしょうか?

過去10年以上儲からなかった時期があった

 上のグラフの前の期間である1970年代では、ほとんど儲かっていなかったんです。
 下のグラフは1970年代のものですが、ほとんど横ばいとなっています。

 さらにこの時期は、物の値段が急激に上がっていたので、株価は横ばいのままでは株を売って
得たお金では買える物が少なくなります。
 従って、実質的には財産が減っていることになります。
 
 20代のような若い方にとっては10年間株価が上がらなくても、我慢できるかもしれません。
しかし、60代以上の老後資金として蓄えてきた方々にとっては、このような状況は厳しいですよね。

なぜ儲からなかった時期と儲かった時期があるの?

 原因はいろいろありますが、大きな原因の1つとして金利が考えられます。
 以下のグラフはアメリカの10年物国債の金利です。

 グラフからわかるように1970年代は上昇しており、1980年辺りをピークに下落し続けています。
 
 つまり、金利が上昇傾向にあった1970年代は儲からなかった時期で、金利が下落し続けてきた
1980年から今までの期間は儲かった期間ということです。
 
 株でも不動産でも金でも基本的に金利が上がると、儲からなくなる、ということは重要なので、是非とも覚えておいてください。

今後アメリカ株は上昇するの?

 金利が下落し続けていることがアメリカ株上昇の大きな理由の1つである、と説明しました。
 従って、今後アメリカ株が上昇するかどうかは、将来アメリカの金利は上昇するかどうかで決まるということになります。

 将来金利がどうなるかを確実に予測するのは無理ですよね。
 でも、予測するためのヒントはあります。その1つが世界中の投資家が今後金利はどのようになると考えているかを確認する方法です。

 以下の表はシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が出しているもので、世界中の投資家が金利が
どのように変化していくかを予想した結果となっています。

CMEのFedWatch ツール – CME Group

 表の見方は例えば、2025年3月19日(赤枠)においては、金利が3.75%~4.00%(青枠)となる
可能性が41.8%(緑枠)になると投資家が考えていることになります。

 なお、現在の金利は5.3%ぐらいなので今後投資家は金利が低くなっていくと予想していることに
なります。

 但しこれもあくまで世界中の投資家が考えている予想値なので、今後の経済状態(例えば物価水準)の状況次第で上昇することになります。

まとめ

  •  アメリカ株に長期投資していれば必ず儲かるという常識は、データに基づいて否定されました。
  •  過去のデータからアメリカ株が儲かった時期は金利が下落している時期であることを説明しました。

 但し、今後アメリカ株がどのようになるかの結論はまだでした。こちらについては、別の記事で
書こうと考えています。
 記事をご覧頂き、どうもありがとうございました。

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