悪い借金の罠①:破産を招く起業とそれを避けるための戦略

はじめに

 前回は良い借金について説明しました。良い借金とは、将来的に利益を生むための借金です。
そして、悪い借金は、返済が難しくなり、生活を圧迫するような借金でしたよね。

 今回は、起業時に悪い借金するケースとそれを避けるための戦略を取り上げます。
特にこれから起業しようとされている方にご覧になって頂きたい内容です。

では、はじめましょう。

起業で破綻するパターン

 例えば、友達のケンジ君が自分のカフェを開くために大きな借金をしました。
しかし、カフェの経営がうまくいかず、借金を返せなくなってしまいました。
結果として、ケンジ君は破産してしまいました。

 なぜ、ケンジ君は破産してしまったのでしょうか?

避けるための戦略① – スモールステップ戦略

 スモールステップとは、いきなり大きな借金をして投資するのではなく、はじめ小さな規模で始めて、ステップを踏んで徐々に事業を拡大していく方法です。

 例えば、ケンジ君の場合、カフェを開くために大きな借金をしました。そして、この借金の返済
が出来なくなったことが、破産した原因の1つだと考えらえます。
 スモールステップの方法に従うのであれば、カフェを開く場合、まず期間限定で小さなお店を借りるとか、移動販売車で商品を売る等となります。

 スモールステップで事業を始めることで以下のメリットを得られます

  • リスクの軽減: 大きな初期投資を避けることで、失敗した場合のリスクを最小限に抑えることができます。間借りでの営業なら、店舗の賃貸契約や高額な設備投資が不要です。
  • 市場のテスト: 実際に商品を提供することで、市場の反応を直接確認できます。これにより、
    お客様のフィードバックをもとに、メニューやサービスを改善することができます。
  • 柔軟な運営: スモールステップで始めることで、柔軟に運営方法を変更できます。例えば、週末だけの営業から始めて、徐々に営業日を増やすことができます。
  • 資金の節約: 初期投資を抑えることで、資金を節約できます。節約した資金をマーケティングや商品開発に回すことができます。


 スモールステップの具体的手順
 例えば、飲食店を開く場合、以下のようなステップを踏むことが考えられます。

  • 間借りできる場所を探す: 近くのカフェやレストランで、週末だけ間借りできる場所を探します。SNSや地域の掲示板を活用して情報を集めましょう。
  • テスト営業を行う: 間借りした場所で、週末にテスト営業を行います。
    メニューを絞り込み、お客様の反応を確認します。
  • フィードバックを収集する: お客様からのフィードバックを収集し、メニューやサービスの改善点を見つけます。アンケートSNSでの意見を参考にしましょう。
  • 改善を繰り返す: フィードバックをもとに、メニューやサービスを改善します。
    テスト営業を繰り返しながら、徐々に事業を拡大していきます。

  こうすることで、大きな借金をする前に、ビジネスがうまくいくかどうかを試すことが
 できます。
  うまくいくという実感を得られてから、少しずつ借金をしていっても遅くはありません。

避けるための戦略② – 徹底した調査によるリスクを最小限に抑えたビジネスプラン作成

 「スモールステップで始めた事業にビジネスプランなんて必要あるの?」と思う方もいるかもしれません。
 しかし、どんなに小さな事業であっても、ビジネスプランを作成することは非常に重要です。

 まず、ビジネスプランは事業の方向性を明確にし、目標を設定するための道しるべとなります。
 たとえ小さな規模で始めたとしても、計画がなければ、どのように成長していくべきかが曖昧になり、無駄な時間や資金を費やすリスクが高まります。

 例えば、スモールステップでカフェを始めたケンジ君は、事業が小さいため、ビジネスプランを作成しませんでした。
 最初は順調に見えたものの、次第に売上が伸び悩み、どのように改善すべきか分からなくなってしまいました。
 もし、最初からビジネスプランを作成していれば、マーケティング戦略リスク管理の方法を明確にし、問題が発生した際にも迅速に対応できたでしょう。

 さらに、ビジネスプランは資金調達や投資家へのアピールにも欠かせません。スモールステップで成功を収め、本格的に事業を拡大しようとする際、しっかりとしたビジネスプランがあれば、銀行や投資家からの信頼を得やすくなります。具体的な計画があることで、事業の将来性を示し、必要な資金を確保することができます。

 また、ビジネスプランは事業の進捗を定期的に見直すための基準となります。計画通りに進んでいるか、目標に達しているかを確認し、必要に応じて戦略を修正することができます。
 これにより、事業の成長を持続的にサポートし、リスクを最小限に抑えることができます。

 結論として、スモールステップで始めた事業であっても、ビジネスプランを作成することは成功への鍵となります。
 どんなに小さな一歩でも、しっかりとした計画があれば、その一歩が大きな成功へと繋がるのです。

ビジネスプランを立てる際の重要なポイント

 ビジネスプランを立てる際は、以下の6つのポイントを意識してください。

  1. 市場調査:
     まず、ターゲット市場を徹底的に調査します。競合他社の分析や顧客のニーズを理解することで、どのような商品やサービスが求められているかを把握できます。
     例えば、カフェを開くケンジ君の場合、周辺地域のカフェの数や人気メニュー、価格帯などを調査します。
  2. 具体的な目標設定:
     短期的および長期的な目標を設定します。これにより、事業の進捗を測定し、必要な調整を行うことができます。
     例えば、ケンジ君の場合、最初の6ヶ月での売上目標や1年後の店舗拡大計画などを設定します。
  3. 財務計画:
     収支予測や資金調達計画を詳細に立てます。初期投資運転資金、予想される収入と支出を明確にし、資金繰りのリスクを最小限に抑えます。
     例えば、ケンジ君の場合、カフェの開業に必要な設備費用や運転資金を具体的に見積もります。
  4. リスク管理:
     事業に伴うリスクを洗い出し、それに対する対策を考えます。
     例えば、季節変動による売上の変動や競合他社の出現などのリスクを考慮し、季節限定メニューの導入や、顧客ロイヤルティプログラムの強化などの対応策を考えます。
  5. マーケティング戦略:
     効果的なマーケティング戦略を立て、顧客を引き付ける方法を計画します。SNSやウェブサイト、地域のイベントなどを活用して、ブランドの認知度を高めます。
     例えば、インスタグラムでのプロモーションや地域のフェスティバルでの出店などを計画します。また、コーヒーの淹れ方やバリスタ体験などのワークショップを開催するのも良いでしょう。
  6. フィードバックと改善:
     定期的にビジネスプランを見直し、実際の成果と比較して改善点を見つけます。
    例えば、顧客従業員からのフィードバックを積極的に取り入れ、事業の改善に役立てます。

   以上の手順でビジネスプランをしっかりと立てることで、事業の成功確率を高め、リスクを
  最小限に抑えることができます。

   また、計画を立てる際には、現実的で具体的な目標を設定し、柔軟に対応できるように準備
  しておくことが重要です。
   
   もし、ビジネスプランを立てるための参考になる情報が欲しい、という方には、
 「夢をかなえる! 使える事業計画書のつくり方」という本をおススメします。


   事業計画書(ビジネスプランのこと)のサンプルを元に、ひとつずつわかりやすく
  解説されています。
   サンプルはダウンロードできますので、これを基に自分自身のビジネスプランを
  立ててください。

まとめ

 起業時に悪い借金を避けるためには、スモールステップ戦略と徹底したビジネスプラン作成が重要です。
 スモールステップで事業を始めることで、リスクを最小限に抑えながら市場の反応を確認し、柔軟に運営方法を調整できます。
 また、どんなに小さな事業であっても、ビジネスプランを作成することで、事業の方向性や目標を明確にし、リスク管理や資金調達の基盤を築くことができます。

 起業を考えている方は、ぜひスモールステップ戦略とビジネスプランの重要性を理解し、リスク最小限に抑えながら成功を目指してください。

本日は以上です。

お読みいただき、ありがとうございました。

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